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映画「世界から希望が消えたなら。」の主人公と、毛沢東や習近平主席と、どのように違うのか?

 米中貿易戦争で、「中国が、アメリカの農産物を大量に購入する代わりに、関税を引き下げるという段階的な一部合意が成立するのではないか?」と言うことで、株価が上がり始めた。

 しかし一部合意がなされたところで米中貿易戦争が終わるわけではない。

 むしろ香港やウィグルの人権問題が起こっているし、5Gなどのハイテク覇権戦争は拡大していて、長期戦の様相を示している。

 習近平主席は、昨年11月から「自力更生論」や「持久戦論」や「新長征論」を打ち出している。

 長期戦に耐えて、相手を揺さぶり、最後には勝つという戦略で、これらは、すべて「毛沢東思想の人民戦争論」の焼き直しである。

 習近平路線は、鄧小平の「改革・開放」による経済路線を捨てて、毛沢東の「先軍政治」の強硬路線に回帰しようとしている。

 10月1日の中国建国70周年記念日の軍事パレードの誇示は、その現れでもあろう。8[1]

 「長征」とは、毛沢東の紅軍が、国民党軍の掃討から逃れて、江西省の井こう山を発って約15万の紅軍を率いて、陝西省の延安に辿り着く逃避行のことである。

その間に国民党軍が、日本軍と戦争し始めたおかげで、紅軍が漁夫の利を得て、国民党軍に勝って建国できたのである。

この長征の教訓を生かして、時間稼ぎをしながら、トランプ大統領が、2020年の大統領選で、落選するのを待とうとしているのだ。

 毛沢東は、この長征の時に、陝西省の民謡「東天紅」を革命的な歌詞に作り替えた。

 「東方は、紅に染まって太陽が昇る。中国には毛沢東と言う男が現れた。彼こそ人民のために幸せをもたらし、彼こそ人民の救いの星だ」と言う風に「毛は不死身だ」「毛は救世主だ」と言った神話を創り上げていったのである。

しかし毛沢東が、建国した中華人民共和国で、数百万人が粛清され、58年からの大躍進政策の失敗で、約3000万人が餓死し、66年からの文化大革命によって、約2000万人とも言われる反革命分子が粛清された。

76年の毛沢東の死後、鄧小平は復権して、「毛沢東のような独裁者が、再び現れないようにするために」、82年に「憲法改正」して、国家主席を任期制とした。

だが習近平が、国家主席になると、2018年3月に再び「憲法改正」して、国家主席の任期を撤廃して、毛沢東のような終身の独裁者になってしまった。

「東天紅」の歌詞も、習近平主席がパクッて、「至るところにあなたの声が聞こえ、全国は、あなたの光芒に照らされている。習大大は、世界の人民に愛されている。習大大は、正義感にあふれ、虎とハエを撲滅している」と、替え歌を作った。

習近平主席を「偉大な領袖」、「英明な領袖」、「習近平思想は、我々の灯台だ。進むべき道を指し示す北斗星だ」と、神格化を図るのは中国共産党の勝手だが、「世界の人民に愛されている」とは言い難い。むしろ恐れられていると言ったほうが正確である。

毛沢東や習近平は、「不死身の英雄」でもなければ「世界の希望」でもないことは、映画「世界から希望が消えたなら。」の主人公が教えてくれている。

「自分のためではなく、人の幸せのために、命を使い切りたい」と言う愛の思いが違うのである。

「果たして、習近平主席は、その毛沢東戦略で、トランプ政権との覇権戦争に勝つことができるであろうか?」

それは、はなはだ疑問である。戦略家のルトワックが指摘しているように、中国は、自滅への道を突き進んでいるようだ。完

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