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米中貿易戦争のあおりを受けて、世界的な景気後退がやって来ているのか?

 8月1日、トランプ政権が、中国を「為替操作国」に認定してから、さらに米中対立が激化して、米中貿易戦争が、凄まじい展開となってきた。

 トランプ政権は、「中国に第4弾の制裁関税を発動する」と発表した。中味は、中国からの輸入品3000億ドル(約32兆円)分に、10パーセントの追加関税を課すとした。donald-trump-silhouette-point[1]

 トランプ大統領は、ホワイトハウスの記者団に「(新たな制裁を)さらに強化できるし、弱めることもできる」と、中国を揺さぶった。

 習近平政権は、これに対して、相応の報復措置を取る構えを示した。

8月2日、トランプ大統領が、中国に制裁関税を拡大することを発表した影響で、ニューヨーク株式市場のダウ平均が、4日連続で値下がりし、前日比98・41ドル安の、2万6485ドルとなった。

また欧州株式市場も全面安となり、イギリスで2パーセント、ドイツやフランスは3パーセント下落した。

10日のニューヨーク株式市場は、FRBのパウエル議長の議会証言で、利下げに対する期待感で、76・71ドル高の2万6860ドルとなった。

13日のニューヨーク株式市場は、ダウ工業株30種平均は、500ドルの上げ幅だった。

しかし翌14日は、パウエル議長の「今回の利下げは、断続的なものではない」という発言で、大幅に値下がりし、前日比、800ドル安の、今年最大の下げ幅で取引を終えた。

この時、10年債が、2年債を下回る「逆イールド現象」が起きた。リーマン・ショック前の2007年6月以来の12年ぶりである。

トランプ大統領は、「逆イールド」について、「狂っている。我々は、中国に勝っている。中国が問題ではない。問題はFRBだ」と指摘し、パウエル議長を「無知である」と批判し、「我々は、簡単に大きな報酬と利益を手に入れることができるのに、FRBが妨げている」として、大幅で、迅速な利下げをするように圧力をかけた。

またツイッターで、「中国、それに他の多くの国も、貿易で、アメリカを利用し、知的財産を盗み、いろいろとやってきた。アメリカは、中国相手に、何千億ドルも失い、終わりすら見えない。遺憾ながら以前の各政権は、アメリカの納税者の大きな負担になるような、公正さや均衡とは程遠い貿易関係を中国に許してきたのだ。大統領として私は、そんなことを認めることができない。公正なる貿易実現の精神により、我々は、この不公正貿易を均衡させることにする」と。

またツイッターで、「中国は、750億ドル相当のアメリカ製品に関税を課すそうだが、政治的動機によるもので、行ってはならないことだ」として、

トランプ政権としては、「そこで10月1日より、2500億ドルの中国からの輸入品の、現行25パーセントの関税を30パーセントとする。加えて残り3000億ドルの中国製品、産品については、現行10パーセントから15パーセントとする」と、さらに厳しい関税を上乗せしてきた。

「アメリカは、長い間、愚かにも中国のために数兆ドルを失ってきたのだ。中国は、長年にわたり、アメリカの知的財産を数千億ドル規模で盗んできたうえ、止めようという気がない。もうそんな真似はさせないぞ」という。

「率直に言えば、我が国は、中国など必要としていない。中国がない状況の方が、ましである。何十年間も、毎年毎年、中国は、アメリカで大金を稼ぎ、盗んできたが、これを止めさせなくてはならない」と、これまでになく激しいトランプ砲がさく裂した。

さらにトランプ大統領は、中国で事業展開するアメリカ企業に対して、「直ちに拠点をアメリカに戻し、アメリカで製品を作ることを検討するように要請する」とまで、厳しく訴えた。

 8月23日、パウエル議長は、国際シンポジウムで、「アメリカの景気拡大を維持するために、適切に行動する」と発言したので、追加利下げが、あるのかと期待されたが、なかったので、ニューヨーク株式市場は、ダウ平均株価を623ドル安と大幅に下げた。

このことに対してトランプ大統領は、またまたツイッターで「いつもの通り、FRBは、何もしなかった。とても強いドルと、とても弱弱しいFRBが存在している。私が抱いている唯一の疑問は、パウエル氏と習近平国家主席の、どちらが、より大きな敵なのかということだ」とまで、パウエル氏を痛烈に非難した。

このように8月に入ってから、ニューヨーク株式市場の株価は、激しいアップ・ダウンを繰り返している。

これまでもトランプ大統領は、「(トランプ大統領再選の)2期目で取引すれば、中国にとって、はるかに悪い内容になるだろう」と、5月11日にツイートしている。

 これほどまでにアメリカが返り血を浴びてまでも、トランプ政権が、中国を追い詰めようとしているのは、中国からのサプライチェーンを外すだけではなく、米中貿易戦争の本質である、アメリカ民主主義対中国全体主義の全面戦争にある。

 はっきり言って、トランプ政権は、中国の全体主義体制を破壊しようとしているのである。

 それゆえに中国への経済制裁は、今後も徹底的に行われるだろうし、お互い持久戦になるだろう。

 このようなトランプ政権の、世界の景気後退も辞さない覚悟の米中覇権戦争は、そう簡単には終わらないだろう。完

 

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