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ファーウェイの時代は終わった

 5月15日、トランプ大統領は「安全保障上の脅威がある通信機器の使用を、すべてのアメリカ企業に禁じる大統領令」に署名した。

 昨年8月にも「ファーウェイを通じて中国共産党が、アメリカ政府機関の機密や企業のハイテク情報を盗んでいる」として、政府機関でのファーウェイとZTEの通信機の使用を禁止していた。

 今回の全面使用禁止措置の背景には、米中による5G覇権戦争の激化がある。 

 5Gとは現在の100倍ともいわれる超高速移動通信システムであり、すべてがIoT(モノのインターネット)などにつながり、個人情報から軍事機密情報まで、すべての情報がデジタル化され、ネットワーク化される。

 この多種多様なデータを運ぶ通信インフラを支配できれば、情報を思いのまま手に入れることができるわけである。

 中国は、ファーウェイの製品を、世界中に安価に提供して、5Gのシェアを支配しようとしていたのである。e7804_103_e9ada549733143c6067d2c23067894a8[1]

 すなわち「情報を制する者が、世界を制する」という現代において、やや劣勢にあったアメリカは、中国による5G覇権を阻止しなければ、敗れ去ってしまう状況に置かれていたのである。

 そうした深刻な事情から、トランプ政権は、徹底的なファーウェイ排除に乗り出し、同盟国にもファーウェイ製品の禁止措置を促してきた。

 これにすぐ応じたのが、カナダやオーストラリアやニュージーランドであった。

 日本の安倍政権も、政府機関に使用を禁止する措置を行った。

今回トランプ政権は、すべてのアメリカ企業に「ファーウェイの通信機器を買うな。部品も売るな」という、ファーウェイとの取引を禁止することによって、グローバルに広がっていたファーウェイのサプライチェーン(供給網)を断ち切ろうとしているのである。

 そんな中で、グーグルが、ファーウェイにアンドロイドのソフトの供給を禁止したことで、Gメールやグーグル・マップなどサービスが使えなくなった。

 そのためにauやソフトバンクのショップでは、ファーウェイの新型スマホの販売を中止せざるを得なくなった。

 すでに夏に販売すると発表していたドコモも販売停止に追い込まれることだろう。

 またインターネット通販のアマゾンジャパンもファーウェイ製品の直販を停止した。

 さらにソフトバンクグループ傘下のイギリスの大手半導体設計のアームホールディングが、ファーウェイ傘下のハイシリコンとの取引停止に踏み切った。

 アームは、アーキティクチャを採用したスマホの心臓部といわれるCPU(中央演算処理装置)を設計する企業で、低消費電量を売りとする通信端末のシェアは、世界の約90%を占めている。

 このアームのCPUの設計図が供給されなくなれば、ハイシリコンの自社開発のCPU「キリン」の製造ができなくなる可能性がある。

 トランプ政権は、ファーウェイが使用していたグーグルのОSやアームの半導体CPUというスマホのソフトとハードの根幹部分を狙い落したのである。

ファーウェイの任正非CEОは「アメリカの規制措置の影響は、あまり大きくない」と強気であるが、この制裁措置はファーウェイの息の根を止めかねないものである。

このようなトランプ政権によるファーウェイ完全排除が広がる中で、関連する日本企業にも取引を停止する企業が出てきた。

ファーウェイは、ソニー、パナソニック、京セラ、村田製作所、ジャパンディスプレイや住友電工など、約100社の日本メーカーから基地局やスマホの使う電子部品などを調達していたからである。

その昨年の部品調達額は、66億ドル(約7260億円)にものぼる。

5月20日、経団連の中西会長は「影響は、相当ある。部品のサプライチェーンを組み替えないといけない。……アメリカの虎の尾を踏まないように対応策をしっかりとらないといけない」とコメントした。

しかし今回のファーウェイ排除は、すでにトランプ政権が、昨年8月に警告していた時点で、予想されていたことであり、経団連が、中国の「一帯一路」に協力することばかりに目を向けて、対応を怠ってきたのではないか。

経団連は、トランプ政権が、中国とのハイテク覇権戦争に本気になっても、親中政策を進めてきたことで、すでに「アメリカの虎の尾を踏んでしまったのである」

「アメリカを取るか?それとも中国を取るか?」という選択を迫るトランプ政権の

新ココムが発動された以上、経団連が、対中戦略を変えないならば、中国に進出しているトヨタ自動車をはじめとする日本企業は、大打撃を被ることになるだろう。

5月23日、通信機器を悪用して、スパイ行為をしているファーウェイに対して、トランプ大統領は「安全保障の観点からも、軍事面からも、極めて危険だ」と述べて、強い警戒感を示した。

5Gによるハイテク覇権を狙うために、スパイ行為を働いていたファウェイに対して、トランプ政権は、絶対に許すはずはない。

トランプ政権の真の狙いは、ファーウェイの禁止措置にとどまらず、その先にある中国政府と中国共産党を崩壊させることにある。

だとすれば「ファーウェイ・ショック」の本番は、これからやってくると見たほうが良いだろう。完

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