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「なぜイタリアは、中国と『一帯一路』の覚書を交わしたのか?」

  3月26日、G7の一角であるイタリアが、中国と「一帯一路」の覚書にサインしたことに、EU諸国をはじめ、アメリカや日本など世界が驚いている。

 覚書きでは、アドリア海北部に面するにトリエステ港の鉄道整備や地中海のジェノバ港の整備など20数項目のプロジェクトが締結され、200億ユーロ(約2・5兆円)の投資を中国から引き出した。

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 イタリアの政権は、昨年の5月に発足した法学者のコンテ氏を首相とした、ポピュリズム主義政党の「5つ星運動」とイタリア北部が支持する「同盟」の連立政権である。

 イタリアのGDPは、世界9位で、EUでは、ドイツ、フランスに次ぐ3位の経済規模である。

 しかし現在イタリア経済は、公的債務がGDP比率132・1パーセントにも膨らんで、債務危機に陥っている。

 過去にもイタリアは、2008年から2009年、2012年から2014年と、2回にわたって経済危機に陥っている。

 さらに2018年に入って下向きとなり、現在の経済破綻危機を迎えているのである。

 イタリアが、リスクを承知の上で、中国と「一帯一路」の覚書きを交わしたのは、そのような深刻な財政事情に直面しているからだ。

とりわけイタリアの現政権が、「一帯一路」に踏み込んだ裏には、5つ星運動の党首で、副首相のディマイオ(32歳)の経済顧問であるジェラーチという経済金融学者がいる。中国の大学で10年間ほど教鞭をとっていた経験を持つ親中派の学者である。

イタリア経済発展省の次官となったジェラーチ氏は、「イタリアこそが、新時代のシルク・ロードに参画しないことはあり得ない話だ」と主張していた。

またジェラーチ次官は、「イタリアの対中貿易は、大きくヨーロッパの周辺国から立ち遅れている。例えばフランスのワインの対中貿易は、イタリアの7倍であり、あのアイルランドでさえ食品や飲料などにおいて、イタリアをはるかに上回っている」と指摘している。

これに同調したコンテ首相(54歳)は、「一帯一路が提唱する経済貿易は、完全にイタリアの国益と一致しており、イタリアの港湾は、まさに新シルク・ロードの目的地となり、地政学的な位置から利益を得なければならない」と、決断した次第である。

 しかし、この一帯一路の締結には、債務超過に陥る国が相次いでいることから、連立政権のパートナーである同盟のサルビーニ副首相が「中国は、イタリア市場を植民地化するだろう」と反対している。

 もし「イタリアが『デフォルト』した場合には、どうするというのだろう?」

 中国に債務を返済できず「トリエステ港とジェノバ港が祖借地にされるのではないか?」と、懸念されるからである。

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すでにギリシアのピレウス港が、そのような租借地になっているのだ。

 イタリアも、そうなれば「中国の魔の手に堕ちた」と言わざるを得ない。

 イタリアを訪問した習近平主席(65歳)は「お互いにウィン・ウィンの形になる」と言っていたが、この男ほど、過去の言動を見ても、国家の指導者としてウソが多く、信用ならない人物はいない。

イタリアの若いコンテ首相とディマイオ副首相は、老獪な習近平主席の野望に、今後、十分に気を付けた方がいい。

アメリカのトランプ政権が、あれほど中国のハイテク覇権について、警戒心を持って米中貿易戦争で攻撃していることでも分かるだろう。

フランスのマクロン大統領でさえ「ヨーロッパが、中国に、能天気でいられる時代は終わった」と言い切っているほどである。

日本の安倍首相も、国会で「日本が、一帯一路で協力するためには、中国が、財政健全性、開放性、透明性、経済性の4条件を満たす必要がある。4条件を取り入れているのであれば、協力していこうということだ。全面的に賛成ではない」と、答弁しているのである。

悪意ある下心を持っている中国では、所詮4条件をクリアーするのは無理難題である。

要するに「日本政府は、一帯一路に参画しない」という意味であろうと、筆者は、解釈するのである。それならばよいが……完

 


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