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ハノイでのトランプ・金正恩首脳会談は、北朝鮮にとって「魔法の杖」とはならず

 今回のベトナム・ハノイでの、米朝首脳会談開催地ほど適切な処はなかっただろう。

かつてベトナム戦争を行ったアメリカ軍とベトナム軍の敵同士が、和解できると言う期待感があるからである。

 またベトナムは、南シナ海の人工島の軍事基地化で対立するチャイナをけん制することもできるからである。

 グエン・フック首相は「ベトナムは、世界の平和に貢献したい。会談の会場に選ばれたことを誇りに思う」と語った。

 トランプ大統領も会談前のツイッターで「ベトナムは、地球上で類を見ない繁栄をしている国の一つだ。北朝鮮が、もし非核化すれば、非常に早く同じようになるだろう。私の友、金正恩にとって過去の歴史にないような大きなポテンシャルとなり、素晴らしい機会となる。それがどうなるか、もうすぐわかるだろう。非常に楽しみだ」と。thumb-12136-203127-domestic_l[1]

 2月27日の夜、ハノイの高級ホテルで、トランプ大統領と金委員長が夕食会を開いた。

席上トランプ大統領は「米朝関係に大きな進展となる。非核化と北朝鮮の経済発展に努力する。北朝鮮は、とてつもなく大きな潜在的経済力があると思う。北朝鮮も第2のベトナムになれる。(金氏は)大な指導者だ」と持ち上げた。

また「明日は、とても忙しい日になる。明日の会談によって、とても素晴らしい状況になり、両国の関係は、とても特別なものになるだろう」と期待感を示した。

 これに対して金委員長は「最善を尽くす。私は、この時で達成された結果が、すべての人に歓迎されると確信している。(会談に至るまでは)どんな時よりも多くの苦しみと努力、忍耐を必要とした」と心中を語った。

 28日午前に、2回目の首脳会談が行われる前に、トランプ大統領は「スピードは重要ではない。早くやることよりも、正しいことをやりたい」と述べた。

 金委員長は「我々の対面を懐疑的に見てきた人々の中にも、我々が対坐して素晴らしい時間を過ごしていることに、まるでファンタジー映画の一場面として観る人がいるだろう。」と、この時点では「幻想的な合意」を抱いていたようであるが。

 しかし交渉は、予想外のアメリカ側を裏切る展開となった。

 アメリカ側は、北朝鮮が東倉里のミサイル実験場や豊渓里の核実験場の廃棄や査察を受け入れるならば、見返りとして相手国への連絡事務所の設置や朝鮮戦争の終結宣言を認めるという基本路線で協議を進めてきた。

 しかし北朝鮮側は、非核化のための工程表や大陸間弾道ミサイル廃棄に譲歩しなかった。

北朝鮮側が、これで完全な経済制裁の解除を求めたが、トランプ大統領は「応じることはできなかった。」と突っぱねた。

当然であろう。北朝鮮が、寧辺の核施設の廃棄だけで、完全な経済制裁の解除を求めるのは甘かった。トランプ政権が、北朝鮮の非核化を求めている条件は、もっと徹底したものであった。

首脳会談後の記者会見で、トランプ大統領は「寧辺の核施設の廃棄だけでは十分ではない。もう一歩先に行きたかった」と率直に述べた。

またトランプ氏は「建設的な2日間だった。しかし時には(席を)立ち去らなければならない時もある」と、ニコリともしない表情で語った。 

共同声明も出ず。合意文書の調印にも至らず、午後に予定されていたワーキングランチも中止された。これを受けて落胆した韓国の株価が急落した。

結局、北朝鮮側に、あれだけチャンスが与えられたのに金委員長は、核保有に固執するあまりに経済制裁の解除はされず、経済援助も得られず、千載一遇のチャンスを逃してしまった。失敗外交というしかない。

トランプ大統領の「魔法の杖」は、北朝鮮に対して振ることはできなかったようである。完

 

 


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