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「ファウェイ・ショック」日本に、世界に広がる

 中国大手通信機器の「ファーウェイ」の副会長、孟晩舟がバンクーバー空港で、カナダ当局によって電撃的に逮捕された「ファーウェイ・ショック」が世界に広がっている。

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12月8日、中国外務省の楽次官は、カナダのマッカラム駐中国大使に対して「孟晩舟CFOをすぐ釈放しなければ深刻な事態を招く」と強い脅しをかけた。

翌9日に楽次官は、アメリカのブランスタッド駐中国大使を呼び出して、アメリカの要請に基づいて行われた孟女史の逮捕に対して、

「アメリカの行いは、すべての中国国民の合法的、正当な権益を重大に侵害しており、性質は極めて劣悪だ。中国側の厳正な立場を重視し、すぐに誤ったやり方をただす措置を取り、逮捕状を取り下げることを求める。中国側は、アメリカ側の行動を見て、さらなる対応をする」と強く抗議した。

「それにしても(ファウェイ)に変わって、中国政府が身柄を釈放するように抗議するのか?なぜ中国政府にとって、カナダやアメリカにケンカを売るほど、(ファウェイ)は、大事なのか?」

それは背景に米中による5G(次世代高速通信システム)の熾烈なハイテク覇権争いがあるからである。

5Gとは、これまでの4Gの100倍の速度で通信できる超高速通信システムで、ありとあらゆるものがインターネットにつながるloT「モノのインターネット」社会の到来において中核となるものである。

すなわち5Gを制した国が、経済や軍事でも世界の覇権を握ることができるわけである。

中国政府が、(ファーウェイ)をかばう理由はここにあるのである。

(ファーウェイ)は、1987年に人民解放軍の通信情報部門研究の技術者、任正非によって深センで設立された。30年経った現在では、従業員18万人を抱える世界1位の通信インフラ企業で、スマホ販売シェアでも世界2位の通信機器メーカーに成長している。孟晩舟でも(46)は、創業者である任氏の娘である。

アメリカ政府は、(ファーウェイ)が人民解放軍出身で、中国政府との関係が深いところから「アメリカの軍部や企業を狙ってスパイ行為をしているのではないか?」と以前から警戒していた。

なぜならば中国では「超法規的な国内法」があって、政府によって命じられれば、国内企業や組織や国民は、治安当局に協力する義務があるからである。

つまり中国政府が命じれば、(ファーウェイ)の機器に不正アクセスすることができ、情報を引き出したり、情報破壊工作もできるのである。

すでに2012年には、アメリカ連邦議会が「ファーウェイとZTEが、安全保障への脅威である。全米の企業に製品を使用しないように」という報告書を出していた。

2014年には、アメリカ政府は、政府機関などでファウェイ製品の使用を禁止する措置を行った。

さらに2018年2月に、上院情報委員会で、FBIのレイ長官、CIAのポンぺオ長官(当時)、NASAのロジャース局長が、そろって「ファーウェイの製品の使用は、やめた方がいい」と証言した。

そして8月には「アメリカ国防権限法」を成立させて、改めてアメリカ政府機関でのファーウェイとZTEと監視カメラ3社の使用を禁じた。

それにとどまらずアメリカ政府は「ファイブ・アイズ」と言う、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの国々と諜報活動を共有する協定を結んでいた。今回のカナダ政府による孟女史逮捕は、その協定を実行をしたものである。

じつは日本も、2018年から、アメリカの諜報活動の情報を共有することになった。それで今回、日本政府による「安全保障上の懸念から、ファーウェイ、ZTEの通信機器を、政府関や自衛隊の調達から排除する」方針を打ち出したのである。

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当然のことながら中国政府は「重大な懸念」を表明し、「日本側が中国企業に公平な競争環境を提供し、相互信頼を損なわないように望む」と反対を声明した。

しかし12月10日、ソフトバンクを含む日本の大手携帯電話3社が、基地局などの通信設備からファウェイやZTEの製品を除外する方針を固めた。

日本政府が情報漏洩や安全保障のリスクを懸念して国の調達から中国製品を排除することに、日本の携帯電話大手3社が、素早く足並みをそろえた。これは年末になって起きた大事件というべきものである。

中国通信機器の使用禁止にファイブアイズや日本やインドも参加してきた。

さらに今後もアジアやEU諸国に、大輪の打ち上げ花火のように、世界にファーウェイ排除が広がっていくことだろう。

今回の一連の事件で、ファーウェイ通信網で、中国が世界の覇権を握る野望は、打ち砕かれたと言ってよいだろう。完

 

 


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