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謎のトルコのサウジ総領事館内での反体制派ジャーナリスト殺害事件と、疑惑のサウジのムハンマド皇太子

  サウジアラビア王国は、イスラム教の聖地であるメッカとメディナを持つ、スンニ派の原理主義ワッハーブ派を国教とする、初代イブンサウドのサウド家が統治する国家である。

また世界最大の産油国でもあり、中東アラブの盟主でもある。

そのサウジアラビアのトルコにある総領事館で、「ムハンマド皇太子が関与しているのではないか?」と、疑惑されている反体制派のカショギ記者殺害事件が起きた。

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高齢(82)のサルマン国王に変わってサウジアラビアの内外政策を取り仕切っているのは、そのムハンマド皇太子(33)である。

ムハンマド皇太子は、これまでの石油依存の経済構造を改革して、世界最大の産油会社サウジアラムコの株式公開、軍事産業の国産化、聖地巡礼・観光業の推進などの「サウジ・ビジョン2030」を打ち出している。

また2018年からはガソリン、ガス、電気など公共料金も引き上げた。女性の運転を認めるなど改革志向が強く、リスクをいとわない大胆な性格で、人口の過半数を占める30歳以下の若い世代に圧倒的に支持されている。

外交では2015年からイエメンへの軍事介入して、昨年はカタールとの国交を断交した。

とりわけムハンマド皇太子が世界の耳目を集めたのは、2017年11月4日に、11人の王子を含む関係者数十人を汚職の疑いで一斉逮捕して、リヤドのリッツ・カールトンホテルに監禁した事件である。

この事件でアブドゥラー前国王の息子で、国家警備隊の大臣であったムトイブが解任されて、ムハンマド皇太子に忠誠を誓う大臣が就任した。

の結果、ムハンマド皇太子が国軍と治安機関と国家警備隊などの全権を掌握した。

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この衝撃的な一斉逮捕劇をサウジのメディアは、「待望されていた腐敗の一掃である」と歓迎している。

しかしこうした強引なやり方は、国内での反発を招いて、政変が起こり、ムハンマド皇太子が失脚する可能性もなくはない。

サウジアラビアと親密な関係にあるアメリカのトランプ大統領は「(記者の)殺害は、ならず者の仕業に違いない」と、ツイッターして、ムハンマド皇太子が指示したメンバーによる行為ではないとほのめかした。

しかしサウジの情報機関のメンバーが関与していたことを知ると、すぐにポンぺオ国務長官を、サウジとトルコに派遣して事態の収束を図った。

ポンぺオ氏は、元CIA長官で「迅速に調査を完了する必要がある」と、ムハンマド皇太子に伝えて、「殺害に関与した者を厳しく対処するように」とアドバイスした。_103890907_mediaitem103890906[1]

もし「サウジ側が、これを怠れば、アメリカとして対応に乗り出さざるを得ない」とも付け加えた。

これに応じてサウジ当局は、すぐさま事件に関連したとして王室や政府の高官ら5人を更迭し、18人を拘束した。

このサウジの発表について、トランプ大統領は「大きな第一歩だ。サウジは偉大な同盟国だ。エネルギー供給面でも世界2位。こうしたことを考慮しなければならなている」と、アメリカにとってサウジアラビアが、イラン封じ込めのパートナーであるので擁護した。

もしアメリカが、サウジを制裁することになれば、サウジは原油を減産させて、その結果、原油価格が急騰して、日本を含む世界経済に悪影響が及ぶことだろう。

だが今回のサウジの措置を、ムハンマド皇太子の「トカゲの尻尾切りだ」として、23日から首都リヤドで予定されていた大規模な投資会議への欠席を表明した欧米の金融機関も多い。

この反体制派ジャーナリスト殺害事件によって、サウジアラビアが国際社会で失った信用は大きい。

サウジ王としての将来が危うくなったムハンマド皇太子が、この危機をどう乗り越えていくかが今後の課題となろう。

トランプ政権としても、中間選挙を前に、厄介な問題が起きたことで頭を悩ましている。

トルコのエルドアン大統領は21日、事件の完全な詳細を明らかに公表するとした。

果たしてどのような決着を見ることだろうか?世界は注目している。完


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