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どこまでやるかトランプ大統領、強気の米中貿易戦争を仕掛ける①

2017年度のアメリカの対中貿易赤字が、何と3756億ドル(約41兆円)にもなっていた。

対中輸入が5055億ドル(約55兆6千億円)に達するのに対して、対中輸出は1299億ドル(約14兆3千億円)で、つまり対中輸入は対中輸出の約4倍である。

6月15日、トランプ大統領は、「中国との貿易は非常に長期にわたって(2001年の中国のWTOの加盟以来)不公正な状態が続いており、これ以上の持続は許されない。これまで中国は、アメリカの知的財産や技術を奪うために、いくつもの不公正な手段を用いてきた。中国は知的財産権をないがしろにしたり、現地企業への出資規制と絡めて外資系企業に理不尽な技術移転を強いていたことは許しがたい行為である」と激しく非難した。

それでトランプ大統領は、今年3月に発動した鉄鋼・アルミへの25%の輸入関税に続いて、「通商法301条」に基づいて、さらに500億ドル規模の制裁に踏み切ることにした。

7月6日、トランプ大統領は、818品目、約340億ドル(約3兆7400億円)相当の中国製品に25%の追加関税を課す制裁を発動した。   p1[1]

これに対して中国政府は、報復策として340億ドル規模での、アメリカ産の大豆(60%の輸入を占めている)や牛肉、豚肉、自動車、エネルギーなど659品目に25%の追加関税をかけた。

この中国の追加関税に対してトランプ大統領は、これまでの2回の制裁に加えて、さらに2000億ドル規模の製品に10%の関税を賭けることを検討しているという。

トランプ大統領が一番問題視しているのは、中国が国家主導で2025年までの7年間で、AIなどの先端技術の10の産業分野(①次世代IT産業②高性能制御工作機械ロボット産業③航空・宇宙用設備産業④海洋建設設備・ハイテク船舶産業⑤先進軌道交通設備産業⑥省エネ・新エネルギー自動車産業⑦電力設備産業⑧農業用機械設備産業⑨新素材産業⑩バイオ医療産業)で、国内産業の70%のシェアを獲得するという「メイドイン・チャイナ2025戦略計画」を掲げていることである。

その計画の達成のために中国がアメリカなどのハイテク先進国から技術を入手するために、すでに2012年からアメリカの600のハイテク技術に20億ドルの投資をして企業買収していたことである。

現在は中国系投資ファンドの中国投資有限公司によってシリコンバレーに800億ドルの投資をしている。

「ハイテクを制する国は世界を制する」という中国はハイテク技術を持つ軍産一体の覇権国家を目指しているのである。

この中国のハイテク覇権戦略に対してトランプ大統領は「この計画は、将来の中国経済の成長を先端技術で牽引する一方で、アメリカ経済の成長を損なう新興国の支配戦略である」として、「関係するハイテク製品に25%の追加関税する」ことを決定した。

その追加関税の対象品目は、光ファイバー、計測機器、電子部品の製造装置、科学素材、産業機械、産業ロボット、鉄道関連製品などである。

 これを受けて6月24日トランプ政権の財務省は、中国資本が25パーセント以上を占める企業に対して「産業上重要な技術」を保有するアメリカ企業の買収を禁じる規則案を策定した。

 またアメリカの国家安全保障会議と商務省は「産業上重要な技術」が、中国に流出することを防ぐための輸出規制を強化することにした。

 トランプ政権の狙いは貿易の対中赤字の削減であるが、それ以上に重要なのが安全保障である。

トランプ政権は「今、中国を制しなければ手遅れになる」と決断して対中貿易戦争に踏み切ったのである。

 このようにトランプ大統領が強気の制裁を掲げてアメリカの貿易赤字削減を中国に迫る貿易戦争を仕掛けたのである。


        AS20180503002693_comm[1]

こうして世界のGDPの約40パーセントを占める米中による本格的な「貿易戦争」が始まったのである。 続く

 

 


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