FC2ブログ

記事一覧

「ツキジデスの罠」にハマった米中貿易戦争

 アメリカの政治学者グレアム・アジソンの造語に「ツキジデスの罠」というのがある。

           AS20171222000094_commL[1]

             グレアム・アジソン 

「ツキジデス」は、古代ギリシャの歴史家で、覇権国家スパルタが、新興国家アテネの挑戦を受けて、ペロポネス戦争に至った経緯を書いた『歴史』で有名である。

覇権国と新興国とのパワーシフトで引き起こされる深刻な対立が「ツキジデスの罠」と言われるもので、アーノルド・トインビーの「文明の挑戦と応戦」も同じ意味合いである。

ハーバード大学のベルファーセンターは、過去500年にわたる新興国と、その挑戦を受けた覇権国との16の事例で、12件が戦争に至ったと分析している。日露戦争や太平洋戦争も、これに当たるとされている。

つまり「ツキジデスの罠」にハマると、極めて戦争に陥りやすいのである。現代の覇権国アメリカと新興国の中国が、これに当てはまるのである。

 149909071015_20170703[1]  

トランプ氏が「アメリカをもう一度、偉大な国にする」というキャンペーンを掲げた大統領選挙中から、中国に対する過激な発言を繰り返していたが、大統領選でトランプ氏が勝利したので、さらに「ツキジデスの罠」が注目されるようになったのである。

すでに2012年に中国の習近平主席も「偉大なる中華民族の復興」を掲げて登場していた。

「偉大な祖国の復興」を掲げる双方の国が、ぶつかり合うのは当然であり、覇権国のトップにいるアメリカは、現状維持を望み、台頭してきた中国は、現状変更を望んで、軍事的な争いに発展していく現象が「ツキジデスの罠」であるのだ。

 習近平主席は、昨年10月の中国共産党大会で、権力基盤を固め、今年3月の全国人民代表大会で憲法改正して、終身独裁体制を認めさせることに成功した。そして2035年には、「中国が偉大な国になる」と宣言したのだ。

 これらの政治理念も、価値観も大きく異なる中国が、覇権を挑発し始めたことを受けて、アメリカの世論もトランプ大統領の支持率を押し上げて、中国との覇権争いの応戦モードに入ってきた。

トランプ大統領が就任して1年3カ月、確かにアメリカの世論に大きな変化が起こり始めたのである。それを受けるかのように満を持してトランプ政権が、中国との貿易戦争を開始したのである。

これはトランプ政権成立後に、すぐに「関与政策」を捨てて、中国との「対決政策」に転換していたのであるが、その準備が1年数カ月をかけて用意周到に推し進められてきたことを実行したまでの事である。

そのためにトランプ大統領は、国務長官にティラーソン氏を解任してポンぺオ氏を起用したのである。

           mcb1801240022025-f1[1]

            ポンぺオ国務長官

「ツキジデスの罠」とは、双方の国が「戦争は不可避である」と思うところから陥る罠である。しかも1度その「ツキジデスの罠」にハマってしまったならば、どちらかが倒れるまで戦い続けなければならないところが、この罠の怖いところである。

 アメリカと中国の戦いは、貿易戦争から始まって先端技術などの知的財産権、金融などのソフトパワー、最後には軍事力が行使されるところまで行くであろう。

  とりわけ南シナ海の西沙諸島と南沙諸島を侵略して埋め立てて、軍事関連施設を建設して、我がものとする現状変更の中国の態度に対してトランプ政権は許し難いものを感じているのである。

従って近い将来、本格的な軍事力で解決しなければならない事態となる可能性が非常に高いのである。ましては台湾問題では、双方譲ることはないで危険あろう。

ここが一番危険な米中の「ツキジデスの罠」なのかもしれないが、最後は神の正義が、どちら側にあるかによって勝利が決するのであろう。完

 

 

 

スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

安田一悟

Author:安田一悟
FC2ブログへようこそ!

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
政治・経済
296位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
79位
アクセスランキングを見る>>

来場者数